個展開催に際し、
4月にギャラリースタッフが工房にお邪魔した際に行ったインタビューです。

平松龍馬氏の作品への想い、制作に関する話、人柄に迫る話などが満載です。
是非ご覧ください。

平松龍馬氏。工房近くの小川沿いの通りにて。


作陶について

陶芸を始めたきっかけは?
拓殖大学デザイン工業科在学時、20歳の頃です。
学科はなかったのですが授業の一貫で陶芸があって、そこで初めて触れました。
現在は陶芸を始めてから10年程です。
今の作風に至るまで、どのような制作活動をされていましたか?
元々は益子焼の作家に弟子入りし、普段使いしやすい作品を制作していました。
その頃から突き抜けた作品を作りたい!と考えていました。
本格的に今の傾向になってきたのは、師匠の元から離れて暫く経ち、とある機会に「作風がつまらない」と言われてからです。
その後、新しい試みとして作品に焼締を加える等の試行錯誤を重ね、今に至ります。
作品がかっこいいと思う作家さんはいますか?
松崎健さんです。


作品について

『亀裂文』シリーズについて。
作品はどのように制作されているのですか?
底面のパーツを最初に作り、そこから立ち上げるように土を動かし側面を作っています。
その後、表面の亀裂や凹凸はパーツを流れ出させて作ります。
成形し見込みに金彩や銀彩を施すと、『亀裂文 金彩・銀彩』の作品になります。
現在制作中・今後制作予定の形や色はありますか?
ぐい呑のカラーバリエーションとして、表面が青+見込みが銀彩のものを追加する予定です。
表面が赤+見込みが金のものも制作予定です。
形は縦に長いタイプが最近は多かったので、以前まで制作していた丸っこいタイプも制作しています。
シリーズの今昔を見比べて、ご自身で感じることはありますか?
初期のタイプを見直してみると、粗さはあるものの勢いを感じます。
一番最初に思い浮かんだ作品のイメージに近いのは金彩・銀彩を使っていないタイプの『亀裂文』でした。

亀裂文 銀彩 ぐい呑・【新作】徳利/金彩 ぐい呑・片口

『アンモナイト』シリーズについて。
作品はどのように制作されているのですか?
まず大きな形を轆轤で形成して、先の細い粘土ベラでアンモナイトのひだを刻みます。
現在、ベースには複数の色の土を使っていますが、やはり土の色が違えば同じ釉薬でも仕上がりの色合いが変わります。

釉薬は独自にたどり着いた配合です。
『アンモナイト』は3回焼くのですが、1・2・3回目と釉薬の輝き方が全く違います。
『亀裂文』は成形に、『アンモナイト』は発色に手間がかかります。

アンモナイト ぐい呑・片口

作品のイメージはどこから?
図鑑に掲載されているアンモナイトの写真です。
鉱質化したアンモナイトに魅力を感じます。極彩色の色合いが好きです。

【新作】アンモナイト「原」 片口・ぐい呑・徳利

『裂文』シリーズは、どのように制作されているのですか?
石膏型に土を貼り付け、乾燥後に取り出して焼いています。

裂文 金彩 枡盃・【新作】ショットグラス(右下)/【新作】銀彩 枡片口・ロックグラス(中央下)/めし碗(左下)

『黒宙釉』シリーズの風合いも、どんどん洗練されてきていますよね。
以前より精度が上がって、キレイな模様をだしやすくなってきました。
油滴天目のような抜群の仕上がりのものが、10個に1個でます。

黒宙釉 銀彩 徳利・茶入(右下)/ぐい呑・茶碗(中央下)


ご自身について

ジャンル問わず、好きなものは何ですか?
お酒、特にバーボンが好きです。
お笑いだとラーメンズが好きです。
将来的に、やりたいことはありますか?
海外、アメリカでの展示会です。カリフォルニアをハーレーで走ってみたいのも理由のひとつです。
金額を見ずにお酒を飲むってこともしてみたい。
漠然としているけど、陶芸だけで食っていきたいですね。
お客様へメッセージをどうぞ。
ぐい呑やお茶碗など作品の名前はあるけれど、自分が思ったように、自由に使って頂きたいです。
できることなら、その使い方も知りたいです。どう使われているか聞くのが楽しいので。
質問は以上になります。
この度はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました!

作家在廊日

5月18日(土)・19日(日)・25日(土)

今回の個展期間中、上記3日間は平松龍馬氏がギャラリーに在廊されます。
インタビューでお伺いしたこと以外にも作品やご自身についてお話したり、
作品の使い方を平松氏にお伝えできるまたとない機会です。
是非、店舗にお越しください。

略歴

1986 千葉生まれ
2008 拓殖大学 工業デザイン科 卒業
2009 栃木県立窯業技術支援センター 入所
2010 同所ロクロ科 修了
2011 益子町七井にて作陶
2013 千葉市花見川区にて作陶
2016 香取市佐原にて作陶

各地の展示会に多数参加。
アンモナイトや鉱物をテーマに制作。

販売処

作品は店舗のみでなく、WEBでも販売中です!
DMに掲載された作品をはじめ、
『アンモナイト』や『亀裂文』、『裂文』シリーズなどの定番のぐい呑や
本個展で初出展となる徳利など、多種多様な作品をお楽しみください。


※WEBでの作品販売はヤフオク!(定価販売)にて行っております。

お問い合わせ



MemorysGallery敬

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